吹奏楽部は「ブラック部活」なのか――。8月1日にNHKの「クローズアップ現代+」で、「ブラック部活」の特集が組まれ、野球部と並んで吹奏楽部での事例が紹介されると、ネット上でも元吹奏楽部や現役部員が一斉に声を上げ始めた。


吹奏楽部がブラック部活!?


「ブラック○○」という言葉でまず思い浮かぶのはブラック企業だが、「ブラック部活」とはどのような部活を指すのか。同番組では、休みがほとんど取れないほど厳しい吹奏楽部のケースを放送。部活のスケジュール(2016年7月)は想像を絶するものだった。
「朝8時~夕方5時の練習」(14日)、「朝練と放課後練習」(12日)、「自主練習」(3日)、「コンクール」(2日)で、これでは休日はないに等しい。
また、暴言を生徒に浴びせる指導者の音声も公開。「ふざけんなよ!」「帰れよ!」「(コンクール)一日前でこれなのかよ!!」と怒声をあげ、椅子を蹴るような音も収録されていた。

番組に反応したTwitterユーザーらは、「夏休みなんてない」「ある種の洗脳状態じゃないとやってらんないよなあんなん」と吹奏楽部のブラックっぷりを次々と明かす。
「吹奏楽部で360日位学校行ってた」「友達は怒鳴られ過ぎて不登校になった」と、ブラック企業顔負けの証言も飛び出した。

吹奏楽部の実態に迫る!


「吹奏楽部ってそこらの運動部より練習きついから」という吹奏楽部員おなじみのセリフ。そんなことあるものか、と内心小ばかにしていた人も多いことだろう。しかし今回、吹奏楽部のブラックっぷりが表面化したことにより、やっとそのセリフを信じる気になった人も多いようだ。

そもそも吹奏楽とは管楽器主体の音楽のこと。名前の通り「吹く」楽器が多いので腹筋等の筋トレは必須。
「毎日みんなで筋トレしてる」「腹筋バキバキだった」という声もあり、ほとんど運動部のようなトレーニングが実際行われているようだ。

さらに「音を出す」という部活の性質上、近隣からの苦情のせいで「この暑い中、窓を閉め切って吹奏楽の練習をしている学校が結構ある」との証言も。また、吹奏楽の技術的な指導を口でするのはとても難しく、つい暴言や根性論に頼ってしまう顧問が多いという側面もあるようだ。

もちろん、「うちの吹部はゆるかった」とか、「でも、やっぱり吹奏楽が好きだからやめたくないんだよ」「楽しいことだっていっぱいあるもん」と「ブラック部活」呼ばわりに反対する声もあり、ネット上での議論は紛糾している。すべての吹奏楽部がブラックというわけではないだろうが、何かしらの不満を抱えながら活動している吹奏楽部員は少なくなさそうだ。