NHK「恋愛しない若者」特集に共感の声も 楽しみはビール片手に萌えアニメ観賞
(画像はイメージ)

「恋愛はコスパが悪い」――若者の恋愛離れが進むいま、こう思っている人も少なくないようだ。恋愛に時間やお金を費やすよりも、趣味など自分自身のことに集中したいと考える若者に密着したテレビ番組が放送され、これに対して視聴者からは共感するツイートが投稿されている。

帰宅後ビールにアニメ


話題になっているのはNHK「おはよう日本」(2015年10月19日放送)の中でオンエアされた「恋愛しない若者たち」という特集だ。26歳の男性ディレクターが、恋愛に消極的とされる若者を取材していた。街頭インタビューでは「仲良くなるまで持っていくのが面倒」「相手のことを考えて行動しないといけないので、ちょっとそれが面倒くさい」などと答える複数の男性が登場した。

この企画を担当したディレクター自身もここ数年、恋人はおらず、楽しみは「ちょっとだけ高いビールを飲みながらテレビを見ること」。ディレクターの普段の生活を撮影した映像では、帰宅後にリラックスできる格好に着替えてから、買ってきた弁当を食べつつ350ミリリットル缶のクラフトビール「よなよなエール」を飲んでいた。視線の先にあるのは、テレビ画面に映るアニメ「きんいろモザイク」だ。女子高生キャラたちの掛け合いに、ときどきムフフと笑う。







「恋人がほしくないわけではありませんが、これといった努力をするわけでもなく、過ぎていく毎日」だそう。テーブルの上には積み上げられたマンガ本と、封のあいたスナック菓子などが散乱しており、いかにも男性の一人暮らしという感じの部屋だ。アニメ「らき☆すた」や「氷菓」のディスクが積まれたテレビ台は、ホコリがうっすらとつもって白くなっている。

番組を見たTwitterユーザーは、
「家帰ってビール飲みながらきんモザみてて死ぬほど親近感湧いた」
「恋愛よりアニメって人映って親から『これあんたやんwww』って弄られた」
「インタビューに答えた青年が自分の時間を大事にしたいみたいな事を言ってたんですけど、みんな色々忙しいんですよねぇ」
などと反応した。

「努力が必ずしも報われない」


ディレクターは取材を終えての感想をスタジオで述べ、同世代として恋愛が面倒と話す若者に違和感はなかったと語る。ゲームやネットが物心のついたころからあった若者は、以前より恋愛の相対的な価値が低くなっているという。取材中、多く耳にした「恋愛はコスパが悪い」という言葉については、不景気や就職難が身近な若者の中には、「努力が必ずしも報われない」と考えている人も少なくないため、「自分が費やした時間やお金に見合った対価が得られるかということに敏感になっています」と説明した。

確かに何をするにしてもネット検索すれば、商品・サービスの値段と評価が一覧でき、「コスパ」が一目瞭然になってしまう時代だ。筆者も、ほかのユーザー星の数で評価を見定め、ハズレを引かないようにすることが多い。かけた金額や労力に対して、それ相応の結果を求めてしまう。その点、恋愛は投資に対するリターンが必ずしもあるものではない。「無理して努力するくらいなら多少世間から疎まれても2次元に生きたほうが報われることがほとんどなんだよな」と共感するツイートが投稿されるのもちょっと理解できる。