冷たいスイーツの代表格「かき氷」。数年前から続いているブームによって、こだわりのかき氷が楽しめるお店も増えている。
現在のかき氷ブームや今年のおすすめのお店などについて、いろいろなかき氷が食べられるイベント「東京かき氷コレクション」を開催する、小池隆介さんに伺った。
ケーキにしか見えないかき氷も! 流行中の「かき氷」、オススメ店を聞いてみた
▲セバスチャンの「いちごのショートケーキ」(1200円) これが「かき氷」と言ってもきっと信じてもらえないほど、ビジュアルはケーキそのもの。

──最近のかき氷について、教えてください
「バリエーションが、非常に増えています。イチゴ味ひとつとっても、市販のシロップだけではく、各お店がフルーツを使ってオリジナルのシロップを作っていたり、フルーツをふんだんに使ってパフェなどのスイーツのようにアレンジしていたり。こだわりのかき氷を出すお店も増えていますし、早いスパンでメニューを変えているお店もありますね。食べ歩きする楽しさがあります。ハマってみると、奥が深い食べ物ですよ」

──2015年のおすすめのかき氷のお店を教えてください
「2015年は、有名パティシエさんを含め、よりほかのスイーツっぽい、かき氷が登場する流があります。
東京都渋谷の『セバスチャン』のかき氷は、かき氷のパフェやケーキなど、特に独創的。テーブルに出てきたとたんに驚きと笑顔があります。もちろん、味もすばらしい。日光の天然氷と上手に扱っていて、削る前に冷蔵庫から出して氷に汗をかかせる『氷をゆるめる』作業をしっかりしています。なので、氷削機の刃当たりが滑らかになり、口どけがよい、口に入れても頭が痛くなりにくいかき氷になるんです」

●セバスチャンのドルチェ氷
「いちごのショートケーキ」(1200円)※冒頭の写真参照
ケーキにしか見えないかき氷も! 流行中の「かき氷」、オススメ店を聞いてみた
▲「いちごのショートケーキ」の断面図。1人前はホールまるごとだが、天然氷特有の軽さと、ナッツのアクセントで最後までおいしく食べられる。

ふわっと削った天然氷を、生クリームと生イチゴでデコレーション。形作られているのに、スプーンがまったく抵抗なく入る。
生クリームと氷の口の中で一緒にとけていき、イチゴの風味が広がる。
ケーキにしか見えないかき氷も! 流行中の「かき氷」、オススメ店を聞いてみた
▲やさしく形成したかき氷に、ケーキのデコレーション用の回転台を使ってデコレーション。1つずつていねいに作られる工程が見られるのも、楽しみのひとつ。

取材当日のかき氷メニューは全6種類。ほかにも、「煮いちご バルサミコミルク添え」「レアチーズ ストロベリー」「ミルフィーユ パフェ仕立て」「苺大福」「自家製ギモーブ アーモンドミルクとキャラメル」が楽しめました。
ケーキにしか見えないかき氷も! 流行中の「かき氷」、オススメ店を聞いてみた
▲セバスチャンの「ミルフィーユ パフェ仕立て」(800円) カットイチゴとイチゴのオリジナルソース、カスタードクリームが層になっている。こちらも中にアーモンドが入っていて、最後まで飽きずに食べさせてくれる。

店主は、以前、フレンチお店で働いていたとか。「お客さんが見て楽しめて、食べて本当においしいものをつくりたい」という思いで、今後もさまざまなかき氷ケーキをはじめ、独創的なメニューを開発していくとのこと。

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●南浦和(埼玉)の『クラフトカフェ』
ケーキにしか見えないかき氷も! 流行中の「かき氷」、オススメ店を聞いてみた
▲クラフトカフェの「 ホイップストロベリー」。

「セバスチャンとは違ったケーキっぽい、かき氷を出してくれます。
セバスチャンのがパティシエの作るスイーツだとしたら、こちらは手作りのあたたかみのあるカフェのスイーツといったところでしょうか。旬のフルーツを使ったオリジナルシロップが評判のお店です。雪だるまの形にしたかき氷を作るなど思い切ったものもあって、小さな子どもも単純に楽しめます」

●熊谷(埼玉)『茶の西田園』
ケーキにしか見えないかき氷も! 流行中の「かき氷」、オススメ店を聞いてみた
▲茶の西田園の「ほうじ茶あずき」。

ケーキにしか見えないかき氷も! 流行中の「かき氷」、オススメ店を聞いてみた
▲茶の西田園の「抹茶と玄米のキャラメルミルク」。

「日本茶屋ならではの香り高いお茶のかき氷が楽しめるお店です。香ばしい玄米茶シロップと煎り玄米、ミルクの相性とバランスが抜群。一度はぜひ試していただきたい味です」

この2015年、特におすすめの3店舗は、4月4日開催の「かき氷コレクション 2015 春」で楽しめるとのこと。

──ところで、かき氷のファンは女性の方が多いのですか?
「やはり女性が多いです。
うまく削られた氷は、ふわっとしていて口どけがよく、重くないので、ペロッと食べられます。ケーキやパフェなどのほかのスイーツを食べたときと同じくらい満足感があるのに、カロリーが低いので“罪悪感”が少なのもいいようです。男性のファンもけっこういます。なぜだか理由はわかりませんが、ラーメンの食べ歩きをしている人が多いです(笑)」

──多くの人がかき氷に惹かれているのは、なぜなのでしょうか?
「敷居が低く、奥が深いところでしょうか。誰もが、子ども頃にお祭りや花火大会でかき氷を食べた思い出があるのではないでしょうか。かき氷は、懐かしい、しかも楽しい思い出がある食べ物なのです。
そと時の感じていたワクワク感などもあり、大人になっても、かき氷を目の前にすると笑顔になっちゃうんだと思います。子どもも大人も、お年寄りもみんな一緒に楽しめる。それが、かき氷のファンを広げているだと思います」

──かき氷の旬は、はやり夏ですか?
「繁盛期という面では、旬は夏ですが、本当にかき氷が楽しいのは夏以降の秋から初にかけてです。秋から冬にかけては、巨峰などのフルーツや栗、カボチャなど、一昔前は食べられなかった味のさまざまなかき氷が楽しめます。それに、秋から春は、お店の方も夏に比べて時間に余裕があるので、手の込んだものを提供しています。この流れは、ブームになったことも大きいです。
以前は、夏以外に食べに行く人が少なかったので、お店もこだわったかき氷を出したくても作れませんでしたからね」

──最後に、「かき氷コレクション 2015 春」の見どころを教えてください
「先に紹介した3店舗とも、かき氷コレクションの初参加になります。セバスチャンは渋谷にあるので、まだ行きやすいですが、クラフトカフェと茶の西田園は埼玉なので、食べにいくのが難しかった方もいるかと思います。この3店舗を一度に楽しめるチャンスはなかなかありません。毎回すぐにチケットが売り切れてしまうこともあり、今回は昼と夜の2回行います。かき氷ファンを含め、多くの人に楽しんでいただけると思います。また、この3店舗とは異なりますが、4月18日には『KANSAIかき氷コレクション 2015』を神戸で開催しますので、東京までなかなか足を運べない方も、楽しみにしていてください」
(取材・文/イナガキアキラ)

●「かき氷コレクション 2015 春」2015年4月4日(土)@東京カルチャーカルチャー
昼の部(open 12:00 start 12:30)の詳細はこちら   
夜の部(open 17:30 start 18:00)の詳細はこちら 

東京かき氷コレクション実行委員会
●お邪魔したお店 「セバスチャン」最新情報はコチラ:公式Twitterアカウント@hk_sebas