7万部を突破した『正しいブスのほめ方』とシリーズ第2弾にあたる『正しい太鼓の持ち方』(ともに宝島社)が、まさかのドラマ化決定。しかも独自路線を突っ走るテレビ東京の深夜枠での放映で、既にスタートしている。
書籍版で「ほめ方」「太鼓の持ち方」の監修を務めた溝端隆三氏にお話を伺った。

『正しいブスのほめ方』『太鼓の持ち方』がテレ東でまさかのドラマ化!!
『正しいブスのほめ方』(トキオ・ナレッジ ほめ監修:溝端隆三 イラスト:栗生ゑゐこ 宝島社刊)

――ドラマ化おめでとうございます!
「ありがとうございます! っていっても全然実感ないです……。フレーズを使ってもらってますが、ストーリーはドラマの完全オリジナルなんで。この本をドラマにしようなんて、ほんと頭おかしいですよね! あ、これはテレビ作ってる人にとっては完全に褒め言葉ですので!(笑)」

ドラマ版のタイトルは『太鼓持ちの達人~正しい××のほめ方』(毎週月曜23時58分~24時45分)出演は手塚とおる、柄本時生、木南晴夏ほかゲストあり。溝端氏には書籍が発売された時に『ブスの人をはじめとして、褒めにくい人をいかに褒めるか』というテーマでお話を伺ったことがあるが、せっかくなので今回も他のほめにくい人のほめ方をお聞きした。

●ダサい人の正しいほめ方
『正しいブスのほめ方』『太鼓の持ち方』がテレ東でまさかのドラマ化!!
▲見た目で分かる ダサい人の生態

「ダサい」と聞いてイメージするのは立ち振る舞いや生き方のこともあるが、ここでの「ダサい」はそのまま、見た目のダサさのこと。

「女性は美意識が高いので、どちらかといえば男性に多いと思います。試着しない人、トータルを考えず単品で選ぶ人、柄に柄を合わせてごちゃごちゃしちゃってる人。あと服選びだけでなく、シャツをパンツにインしたり、ベルトの位置がやけに高いなど、着こなしでダサくなっちゃってる人とか。服装がダサいからといって誰かに迷惑をかけている訳じゃないからいいじゃん! と思ってる人もいるんですが、このダサさが、ごはん屋さん選びや贈り物選びにも影響しちゃうんで、安心して任せられないっていう……」
――褒めれば改善されるんですか? 褒めると悪化しそうな気が……
「もちろん、ダサい着こなしやセンスを『それいいね!』では意味がありません。まずは正解例を仕込むこと。その時に『なぜそれが良いのか』という理由を添えてあげること。
そうすると、次回からは選ぶポイントが明確になるので大ハズしすることはないと思います。相手にとっては、言われた通りのものを買っただけですが、ここで『お〜! これこれ! やったらできんじゃん!』と褒めましょう。相手からしたら『え? 言われた通りにやっただけだけど……』なんですが『いやいや、言ってもできない人ばっかりだよ』と締める。褒めることによって、喜んでもらえる気持ち良さを知ってもらうのです。そうすれば次もがんばろうと思わせることができるはずです」

●ダサい人=服装に無頓着 という意味ではない

溝端氏によると、ダサい人=服装に無頓着と思われがちだが、実際は逆の場合が多いという。
「おしゃれに興味のない人は冒険をしないので、シンプルな服装を選びます。
結果、オシャレではなくてもダサくはなりません。ダサい人ほどこだわりがあり、高級ブランド品を持っていたりします。トータルバランスが驚異的に悪い=ダサいということになります」
――ダサい人をうまくほめるにはどうしたらいいですか?(←念のためお断りしておきますが、自分のことを棚に上げて、このような質問をして申し訳ありません……)
「例えば『原石だよね』『服装を変えたら、絶対にモテるよ』『服とかファッションで化けるタイプっぽい』と言ってみると良いと思います。『今はいまいちだけど、磨けば原石』という意味を込めて言えば、自然と努力をうながせます」
ということは、知り合いに「原石だよね」と言われたら、「は! 嬉しいけど、ひょっとしたら自分はダサいと思われているかもしれない」と疑ってもいかもしれない。

●今回は褒めにくい人を褒めるための相談にも乗っていただいた

――私の知り合いに「人脈自慢ばかりする人がいるのですが、どのように褒めたらいいでしょう?」
「あぁいますねー。『知り合いがすごいだけで、おまえは全然すごくない!』とツッコミたくなる人(笑)。
こういう人知り合いを褒めているのに、自分が褒められていると勘違いして気持ちよくなってしまってるんですよね。特徴としては『一回名刺交換しただけで人脈に入れちゃう』『SNSの自己紹介を盛りすぎている』『なんでもすぐビジネスにしたがる(カタチになることは皆無)』といったところでしょうか。この人たちにまずやってはいけない褒め方は『そんな人と知り合えるなんてスゴいね!』です。つい言ってしまいがちなフレーズですが、これは増長させるだけ。できれば褒めて気持ちよくさせつつ控えさせたいもの。人脈自慢が始まったら
『僕の中で一番自慢できる人脈は○○(相手)さんくらいかなぁ』
です。
このときの相手の受けが素直に喜ぼうが謙遜しようがどっちでもいいです。このとき続けて『それに比べて僕なんて○○(相手)さんに何の自慢にもなってないからなぁ』と、さらっと自虐フレーズを入れる。
『いやいや君も充分、自慢の人脈だよ』となるか『本当にそうだよ!』となるかは人によるでしょうけど、別のトークに切り替える絶好のタイミングを作ることができます。すかさず別の話題を入れましょう。この手の人たちを『褒める』ときは『自虐』とセットがオススメです」

いやはや、人を立てるって大変。何歳になっても『俺が高校生の頃は』などといって自慢話をし始める人もいるが、そういう時にタイミングよくケータイが鳴ってくれたらいいのにと思うことがある。
(ガラケーの時は、自分で鳴らせる方法がありましたよね)
(取材・文/やきそばかおる)

『正しいブスのほめ方』『正しい太鼓の持ち方』(宝島社)(発売中)ほめ方・太鼓の持ち方監修:溝端隆三 イラスト:栗生ゑゐこ 
『正しいブスのほめ方』「また会いたい」と思わせる35の社交辞令。大切なあの人を喜ばせるフレーズ満載。見た目でわかる生態解説付き。
『正しい太鼓の持ち方』上司を転がす35の社交辞令 ポンコツもキレ者も全部まとめて味方にする処世術。

ドラマ『太鼓持ちの達人~正しい××のほめ方』(テレビ東京系 毎週月曜23時58分~24時45分)
出演:手塚とおる、柄本時生、木南晴夏ほかゲスト