よくありますよね「犬派? 猫派?」っていう質問。筆者は無類の犬好きなので迷わず「犬!」と答えますが、猫派の気持ちが分からない訳ではありません。
あのゆっくり、のんびり、ひなたぼっこをしながら目を細める姿なんて、猫らしい哀愁が漂っていてなんともかわいいじゃないですか……! でも、この写真を見たら猫派の人もちょっと「犬って良いな」いや、「犬と子どもっていいな」と思うかもしれません。

そんな多くの人を魅了してしまう写真を撮るのは、フレンチブルドッグのムーさん(オス)の飼い主でもあり、3歳の少年たすくくんのママでもあるayasakaiさん。ムーさんとたすくくんの”二人”の日々を記録した写真は、世界中でシェアされ一躍大人気に。ついに写真集『ムーとたすく』が発売されることとなりました。一緒にテレビを見たり、お昼寝したり、時にはいたずらしたり……。まるで兄弟のように生活するムーとたすく。
思わず「かわいい!」と言わずにはいられない、この夢のような生活を探るべく、さっそくayasakaiさんにインタビューしてきました!

世界40万人が癒やされた! 少年と犬の写真を撮るayasakaiさんに会ってきた


――今やinstagramで40万人ものフォロワーがいますがいかがですか?
ayasakai 本当にびっくりしています。正直、未だに書籍化していただいたのも嘘のようです……。

――フォロワーが増えていったときはどんな思いでしたか?
ayasakai 朝起きるとフォロワーさんがすごい数で増えていったので、いったい何が起こったのか分からず、はじめは怖かったんです。でも、あとからフォロワーさんが「中国のweiboというSNSで紹介されて、とっても人気だよ」とコメントを書いてくださって。それで一安心しました(笑)。

――なるほど、知らないところで拡散されていたんですね!
ayasakai もともとinstagramを始めた理由も、たすく(以下 たっくん)を出産して、子育てに追われて家にこもりがちになってしまったからなんです。
それまではブログを書いていたんですが、なかなかそんな時間もなくなってしまって。ちょうどその頃にinstagramの存在を知って、友達とのコミュニケーションが手軽に取れるので、子どもの成長を写真日記のような感覚で撮り始めたんです。

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――ちなみに、ムーさんとたっくんはもともとこんなに仲良しだったんですか……?
ayasakai いえ、はじめは違ったんです。もともと、たっくんが産まれた頃は、ムーさんの上にロッちゃんというお兄さん犬のフレンチブルドッグが居たんです。兄弟のようなロッちゃんとムーさんの中に、突然たっくんが登場して、自分が一番下の弟だと思っていたムーさんは「こやつは誰だ……!」といった感じで驚いていました。気になってたっくんに近づくけど、触られるとびっくりしたり。
ムーさんはしばらくロッちゃんとたっくんを遠くから見ているだけでした。
でも、ある日ロッちゃんが突然亡くなってしまったんです。ムーさんはお兄ちゃんを失った悲しみを受け入れられず、しばらく家の中でロッちゃんを探している日々でした。今思えば、家族みんながロッちゃんの死を受け入れることが辛い中、ムーさんとたっくんが寄り添い始めたのはごく自然なことだったように思います。

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――そんなエピソードがあったんですね……。今はまるでムーさんとたっくんが兄弟のようですが、普段どんなコミュニケーションをとっているんですか?
ayasakai 外出先から帰ってくるとたっくんは「ムーちゃんただいま」とか、寝る前は「ムーちゃんおやすみ」と話掛けています。
ムーさんが何か食べていると「ムーちゃん何食べてるの?」と聞いてみたり。こそこそ話をしたり、自慢のおもちゃをムーさんに見せびらかしてみたり。パパの膝の上にムーさんが座っていると、「ムーちゃんどいてよぉ! 僕がここに座る!」とパパの膝の上を取り合ったりもしています(笑)。



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――長男にして、”取り合う”ということを知る訳ですね(笑)
ayasakai そうなんです、一人目の子どもだけど普通の長男長女とはちょっと違うかもしれません。なんなら、ムーさんはたっくんのことを弟だと思っていると思います。昔、たっくんが食べ途中だったお菓子をソファの上に置いておいたら、それをムーさんがぱくっと食べてしまったんです。
たっくんは「ムーさんに食べられた~」と大泣きしていました(笑)。あまりにも悔しかったのか、たっくんはその日の夜、泣いて目が覚めたんです。何かと思ったら「ムーさんにパン食べられた~」と夢の中でもムーさんに食べ物を狙われたようです(笑)。

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――かわいいですね~! そして、食べ物の恨みは恐ろしいですね(笑)。そもそも犬と小さな子どもが一緒に暮らす事に抵抗はなかったんですか?
ayasakai はじめは未知の世界でどうなる事かと思いましたが、出産前に主人と「子どもが産まれてもろっちゃんとムーさんの世話は絶対におろそかにしないこと」という約束をしたんです。そのときに、私はたっくん、主人はムーさん、といった感じで役割分担をしました。


――じゃあ、子どもがうまれるからムーさんのしつけを改めよう、といったこともなかったんですか?
ayasakai そうなんです、特にこれといって何をした訳でもないんです。

――ちなみに、フレンチブルドッグって、ブルドッグの凶暴な一面もあったり、犬占いだと「一途な愛を強く求める」とか「一人の人から深く愛されたいタイプ」なんていったことが書かれていて、わりとストーカータイプなんて言われるんですが、ムーさんの性格はどうですか?
ayasakai ムーさんはもともと、とっても大人しくって、散歩に行って他のワンちゃんと会っても、すぐにお腹を見せちゃうタイプだったんです。

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――おぉ~! じゃあ穏やかな性格なんですね……!
ayasakai そうなんです、お兄さん犬のロッちゃんがゴリゴリの雄犬のような性格だったこともあるせいか、ムーさんはおっとりした弟気質なのかもしれません。フレンチブルドッグって、確かに本を読むと凶暴な一面があるとか、皮膚が弱い、ヘルニアになりやすいといったデメリットが書かれている事が多いんですが、一緒に暮らす限りは「しっかりと飼ってあげよう」と決意して飼い始めました。一緒に生活してみると、短いしっぽを(というかお尻全体を)ブンブン振って喜んだりして、ちゃんと会話が成り立つんです。人間みたいにオナラをしたり、ゲップをしたり、食べた後に「ウェーー」っと言ったりもします(笑)。まるでちっちゃいおじさんみたいです。

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――ちっちゃいおじさん! 確かに(笑)。でも最近たっくんも成長して、ムーさんよりも大きくなってきましたよね?
ayasakai そうなんです、たっくんも3歳になって遊び方もやんちゃに……。おもちゃの車をブーーンと走らせたりすると、ムーさんもびっくりしていて、そんな時はついつい私も「こらー!」と怒ってしまいます。

――ムーさんの気持ちをayasakaiさんが代弁するとしたら、何て言ってると思いますか?
ayasakai 「最近、たっくんが大きくなってきたからちょっとめんどくさいな……。でもママが助けてくれるからいいか」といった感じでしょうか(笑)。

――なるほど(笑)。ムーさんから「助けて」という合図があるんですか?
ayasakai ありますよ、私の方をじっと見てきて「ちょっと黙らせてよ……」ってアピールしてきます(笑)。
でも逆もあって、たっくんが寝ていると「たっくんがおとなしいぞ……」と思ったムーさんがワンワン!と吠えて”遊んでアピール”をするんです。顔面でたっくんの寝ている布団をグリグリしたり、足を突いてみたり(笑)

――本当に兄弟みたいですね!
ayasakai でも、たっくんは熟睡していてまったく起きないんです(笑)。

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――そういえば、ムーさんとたっくんって一緒に寝ている写真も多いですよね。あれはどちらから寄り添って寝ているんですか?
ayasakai 眠たくなると、お互いにくっつき始めて、どちらともなく一緒に寝てるんです。たっくんが寝てて布団を掛けてあげるとムーさんも入って来たり。自然とお互いに寄り添ってます。

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――なるほど。写真からもその自然な空気感が伝わってきて癒されます! 実際にコメントでもそういった声が多いですよね。
ayasakai ありがとうございます。実は、今回の書籍化のお話をいただいたとき、はじめはお受けしようか迷ったんです。たっくんが大きくなったときにどう思うかなと。でも「シェアしてくれてありがとう」「癒されました」「涙が出ました」といろんな国の人からメッセージをいただいて、誰かを優しい気持ちに出来るって素敵な事だな、と思ったんです。ポジティブな二人の力を広げるという選択をしてもいいのかなと。

――実際に本を見たたっくんは何て言ってましたか?
ayasakai 「たっくんいっぱいじゃーん」と喜んでいました(笑)。たっくんがもっと大きくなったときに、たっくんてすごいんだよ、ってちゃんと教えてあげようと思います。

――最近はたっくんにせっちゃんという弟もできて、より賑やかになったかと思いますが、これからも写真はアップしてくださいますか?
ayasakai そうですね、でもいつかたっくんが「写真やめてよっ」て言い出したらやめようと思っているんです。

――あくまで家族“5人”の生活があってこそ、ということですね
ayasakai そうですね。でも、ムーさんもたっくんで免疫がついたせいか、せっちゃんの登場には余裕な顔をのぞかせているので、またどんな生活が始まるか楽しみです。

――ムーさんは3人兄弟の長男ですもんね(笑)
ayasakai そうですね(笑)。

世界40万人が癒やされた! 少年と犬の写真を撮るayasakaiさんに会ってきた

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■ayasakaiさんってこんな人
小学生のころから、学校帰りに捨て犬や捨て猫を見つけるたびに拾って帰り、週末は箱を持って近所にあった観光スポットで里親探しをしていたとか。動物好きの家庭で育ち、今まで一緒に暮らした生き物は、犬、猫、鳥、魚など数知れず。いつか東京でも動物と暮らしたい、という夢を実現。旦那さんと犬のムーさん、たっくん、せっちゃんと暮らしている。

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『ムーとたすく』(ポプラ社)
Ayasakai著 本体価格:1200円

ムーとたすく パネル展
場所:渋谷PARCO
期間:4/25(金)~5/6(火) 10:00-21:00
会場:5F連絡通路
入場無料