飛行機の安全のしおりといえば、何気なく見て、あとは音楽を聴くか、熟睡・・・という方が多いのではなかろうか。しかし、中には航空会社によるデザイン等の違いが気になってしょうがないという人がいる。
銀杏戦隊ギンナンジャーのギンナンイエローさん(女性)。持ち帰ることはできないので、機内で安全のしおりを“記念撮影”までしているというギンナンイエローさんに、その魅力を聞いてみた。

まずは、国や航空会社ごとの違いから。

●日本の場合

外国と比べると、誰が見ても分かりやすく、イラストを見れば理解できるように描いてある。
以前は紙でできたしおりが多かったが、最近はプラスティック状のものが多い。

とりわけ、ギンナンイエローさんのお気に入りは、『スターフライヤー』と、主に名古屋小牧・福岡・静岡・松本の各空港を拠点としている『フジドリームエアラインズ』の安全のしおり。

「『スターフライヤー』の安全のしおりは、招待状っぽく3つ折りになっていて、オシャレなしおりです。表面がマット仕上げになっているところも素敵です。『フジドリームエアラインズ』はオレンジと黄色を基調としていて、ポップなデザインで、非常にキュートですね。角が丸くなっているところにも、こだわりを感じます」

もう一つ気になるのが『スカイマーク』。
「イラストに描かれている女性のまつ毛が長く、ピアスをしているのも特徴です」

そうなの!?
そう言われると、気になって仕方がないので、今度『スカイマーク』に乗った時には、ぜひ確認したいところ。特にLCC(格安航空会社)などの新規参入組は、自分たちの航空会社のことを印象付けようとするためか、特徴のあるデザインであることが多いという。


●海外の場合

イラストのテイストにお国柄が出ている。
○『エティハド航空』(アラブ)は、様々な国の方が利用するのを考慮してか、髪が茶髪だったり、スキンヘッドの方がいたり、様々なバージョンの人物が描かれてある。
○『ユナイテッド航空』は、ちょっと懐かしいアメコミ風のテイスト。(関連写真参照)
○『アメリカン航空』は、CGを使って、やや3D風な絵を使用。注意書きが日本語でも書かれてあるのが嬉しいが、誤字があって惜しい感じがする。(関連写真参照)
○『ジェットスター』(オーストラリア)は、小学生の頃クラスの男子の絵のテイストを思い出す、懐かしい感じのするイラスト。
誰にでも受け入れられるよう綺麗に作ろうとする会社が多い中、異彩を放っている。キャラが濃く、ギンナンイエローさんのお気に入りの一つであるという。ジェットスター日本国内線で出会ったもの。(関連写真参照)

――どの安全のしおりのイラストも、描かれてある顔が無表情ですね。
「緊急時をイラストにしているので、変に表情があると不自然になります。だから、一様に無表情なんだと思います」
航空会社によっては、イラストに顔のパーツをなるべく描かないようにしてあるしおりもある。


――航空会社によって機内の雰囲気に違いはありますか?
「お客さんの雰囲気は、あまり変わりはありませんが、CAさんの雰囲気に特徴が出ていることがありますね」
例えば、ベトナムの某航空会社のCAさんは制服にアオザイを着ているという。
「民族衣装を身につけていて、お国柄を感じます」
また、アメリカの某航空会社を利用すると、体格の良さそうなCAさんをよく見かけるとか。

(おまけ)
航空会社の安全のしおりではないが、某旅行センターが主催した、ロシアツアーのパンフレットには、マトリョーシカのイラストがふんだんに描かれた注意書きが描かれてある。(参考写真参照)


●森永卓郎氏に憧れている友達を見て・・・

そもそも、ギンナンイエローさんは、なぜ、安全のしおりが気になるようになったのだろうか。
「森永卓郎さんがテレビでミニカーを集めていて、森永さんの友達が街で配られているティッシュを収集していることを言っていて。『どんなものでも集めれば、立派な専門家になれる』って言ってるのをテレビ聞いて、自分もすごい人になろうと思ったんです」

そう思っていたギンナンイエローさん。
ある日、飛行機に乗る機会があり、安全のしおりを見て『これだ!』と思ったという。
「当初は面白いかどうかすら分からなかったけど、高校の時に友達が海外の安全のしおりのことを教えてくれて、それで面白いことに気づきました」

しかも、安全のしおりについて考えているうちに、こんなことまで考えるようになったという。
「そもそも、安全のしおりって、どういう存在なんだろう・・・と考えるようになりまして。皆の危険時のために備え付けられているにも関わらず、ヒマつぶしとして扱われてしまう不遇の冊子。スルーされることもしばしば。でも、航空会社の方々はものすごく頑張って作っている気がするんです。
そのあたりに、航空会社とお客さんの間のズレすら感じちゃって、切ないものを感じます!」

アツイ!なんてアツイんだ!航空会社の社員ではないのに、安全のしおりについて、ここまで考えてる人がいるなんて・・・。飛行機に乗ってすぐに、安全のしおりをじーーーっと観察している人がいたら、ひょっとしてギンナンイエローさんかもしれない。
(エキサイトニュース コネタ編集部)

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