ホコリが溜まりがちなパソコンの中。溜まり過ぎるとオーバーヒートして故障の原因になる。
そこで、掃除しないといけないのだが、お勧めのやり方とともに「やってはいけない掃除の仕方」をパソコン会社に聞いてみた。

まず、パソコンショップに行くと必ず店員にお勧めされるお掃除グッズとして、エアーダスターがある。強力なガススプレーを細いノズルから噴射することで中に溜まったホコリを吹き飛ばすというもの。狭いパソコン内には最適のアイテムだ。だが、これを使用するのには注意が必要。パソコン会社のリンクスインターナショナルに聞いた。

「エアーダスターでホコリを吹き飛ばす方法は誰にでも簡単にできますが、問題は吹き飛ばしたホコリがファンの回転部分やヒートシンクの隙間に挟まらないように注意が必要です」

ホコリが詰まるとどうなるか。
「表面に堆積していたホコリがヒートシンクの奥へと押しやられ、空気の流れが悪くなったりします。また、ファン回転部分とヒートシンクの隙間に入ることで、ファンの回転不良を招きかねません」
間違ったエアーダスターの使い方で、機器が故障する恐れがあるということだ。怖い、怖い。

エアーダスター以外では、家庭用の掃除機を使うという方法を以前どこかで聞いたことがある。だが、作業のとき「静電気で機器が壊れる」とかいう説もあり、心配だ。
これらについてはどうか。
「確かに掃除機でホコリを吸引する方法もありますが、マザーボード上のコンデンサやピンなどは非常にデリケートなので細心の注意が必要です」
「ケース内の狭く暗い場所での作業では気が付かないうちにコネクタの脱落などにつながることもあるので、やはり掃除機はあまりお勧めはしません」

「静電気に関しては、一昔前に噂され儀式めいた“全裸作業”をするほどの心配はほとんどありません」
“全裸作業”とは文字通り静電気やホコリが付きやすい衣類をすべて脱いで作業するというもの。こんな大袈裟なやり方までして静電気を気にすることはない。基本的に静電気によるメモリやCPUなどの故障はほとんどないと考えてよいということか。
「はい、最近のPCパーツに関してはほとんど心配ありません」

さらにそれら以外のやり方として、ブラシ、綿棒を使用するのはどうか。だがこれもブラシや綿棒の切れ毛や綿屑が回路に残ってショートする恐れがあるという指摘を店員から聞いたが。

「伝導性の素材でなければ、たとえ基板上に残っていたとしてもショートする心配はありません」
そうか、これも心配し過ぎか。良かった、良かった。

まぁ、そうは言っても長年掃除を一切せずに放置してホコリが溜まりすぎたパソコンは専門業者(PCショップなど)に掃除を委託したほうがベターなのでは。
「PCのケースを一度も開けたことがない、自信がない……という場合は確かに掃除を委託したほうが良いかもしれません」

このように掃除は不可欠だが、ちなみにホコリの侵入を防止するダストフィルタなどを備えたPCケースも最近は増えたそうだ。これなら掃除の回数を減らすことが可能かも知れない。

掃除が苦手な筆者が言うのも恥ずかしいが、パソコン内の掃除は大切ですよ!
(羽石竜示)