「ブスの正しいほめ方は?」「存在感ゼロの人の正しいほめ方は?」「老けすぎている人の正しいほめ方は?」など、どうやってほめたらいいのか分からない35のタイプの生態について、「正しいほめ方」を伝授した書籍「正しいブスのほめ方~『また会いたい』と思わせる35の社交辞令」(宝島社)が話題となっている。放送作家、大手メーカー工場長、デザイナー、茶人、ノンキャリア官僚、シンクタンクSE、新聞記者、フリーターなどからなる知識集団「トキオ・ナレッジ」が万を辞して完成させた1冊だ。
果たして、「正しいブスのほめ方」とはどういうほめ方なのか?「ほめ監修」を務めた、放送作家の溝端隆三さんにお話を伺った。

――そもそも、ブスな人や老けすぎている人などに対するほめ方の本を完成させようとしたきっかけは?
「ほめ方の本はたくさん発売されていますが、『ほめにくい人をほめるための本』はなかったからです。よく「正しいブスのほめ方」というタイトルだけを聞いた人から、『なんで、ブスをほめる必要があるの?』と聞かれるんですが、ブスを仲間に入れると実はメリットがあるんです」

――例えば?
「まず、コンパの場面においては『帰ろう』って言い出すのはたいていブスなんです。可愛い子は、みんなにチヤホヤされるから残りたがります。ブスは相手にされないから、帰りたがることが多い。実際に、その逆のパターンはあまりありません。
だから、ブスを味方につけるといいんです。ただし、ひと口でブスといっても許せるブスと許せないブスがいます。性格ブスは許せないブスなので無理してほめる必要はなく、性格が良くて『良いお母さんになりそう』って言われてそうなブスは許せるブスで、同姓の友達も多い傾向があるので、誰かを紹介してくれることもあるから良いですよ」

溝端氏の話によると、許せるブスと許せないブスの特徴は次の通り。

(許せるブス)
・明るい
・愛嬌がある
・ブスを自覚している
・初対面は敬語
・絵に描きやすい
などなど

(許せないブス)
・恋愛上級者だと思っている
・清潔感がない
・ネガティブ
・下ネタに過剰反応する
・いきなりため口
などなど

「ブスを、顔だけでひとくくりに考えてはいけません。自覚して努力しているのは好感がもてるブスですが、不潔感と雑感は好感がもてないブス…というようにブスにも違いがあるわけです。この違いを踏まえても『ブスはブスだ』と思うあなたは、相当な性格ブスです。
改めたほうがよいでしょう」

――では、何と言ってほめたらいいですか?
「例えば『面食いそう!』とか『どこか外国の血、入ってる?』とか。外国に憧れの強い日本人にとっては、『どこか外国の血、入ってる?』は鉄板のほめフレーズです。ただし、おおげさに表現しても、『アイドルとか目指そうとは思わなかったの?』など、ウソはついてはいけません。逆効果です。また、容姿がブスだからこそ、容姿をほめましょう。ブスはほめられたとしても「いい人そう」といった、当たり障りのないほめ言葉なので、そういったことは言われ慣れてしまってるんです。
パーツの中で、一つぐらいは『ほめパーツ』があるはずなので、そこをほめましょう。なお、一つだけ注意点がありまして、相手が異性の場合は、ほめた部分が自分の好みであるとは、絶対に言ってはいけません。『付き合ったら楽しそう』などと、気を持たせるようなほめ方をしてしまうと、『この人、自分に気があるな』と思ってきますから…」

書籍には「ブスの正しいほめ方」の他にも「超体育会系、元ヤン、忙しぶる人、毒舌家、かまってちゃん、不幸自慢をする人など、あまりほめようとさえ思ってこなかったような35のタイプの生態にまつわるアドバイスが満載。

●「説教好きの人の正しいほめ方」

最後にもう一つ、個人的に気になった「説教好きの人の正しいほめ方」について聞いてみた。怒りっぽい上司には、どう対処したらいいのだろうか?溝端氏によると…
「説教好きは周囲から嫌われているため、わざわざ自分から寄っていく部下はいません。そうなると、職場をうろうろさせてしまい、説教ネタを探させる要因になります。
できるなら持ち回りで話し役を決めて、彼らに説教ネタを探させる時間を与えないようにするといいです。さらに『嫌われ役を自分から買ってでるって、スゴいですよね!』と言って、嫌われてることを自覚させましょう。『え!嫌われてるの?』『そりゃそうでしょ。みんなめちゃくちゃ嫌ってますよ』と追い打ちをかけると、店じまいをしてくれるでしょう」

――最後に、ほめようと思っている人へのメッセージを。
「ブス以外にも、老けすぎる人、忙しぶる人、毒舌家、存在感ゼロ、不幸自慢をする人など、探せば必ずほめられるところはあります。上手にほめることで、社会も明るくなりますよ!」

「存在感ゼロ」「ダサイ人」「ネガティブ」など、ラインナップを見るだけで自分のことを言われてるような気がして胸が痛いところだ。
こうなったら社交辞令でもいいので、誰かに褒められたいものである。(やきそばかおる)


「正しいブスのほめ方~『また会いたい』と思わせる35の社交辞令」(宝島社)