先日、東京ビッグサイトで開催された「デザインフェスタVOL.36」で、変わったブースが注目を集めていた。そのブースは、色々な人が教えてくれた性癖を、大きなボードに書いていって公開するというものだ。
しかも、活動しているのは女子大生2人組。一体、なぜ性癖を集めようと思ったのか、どんな性癖があるのか…、フリーペーパー「季刊 性癖」を発行している、水の人美さんにお話を伺った。

――「季刊 性癖」は、水のさんと、まゐさんが発行しているそうですが、色々な人の性癖を調べようと思ったきっかけは?
「『性癖』の『性』は『性質』の『性』と書きますが、性癖って、本来は恥ずかしいものではないはずなのに、言葉のインパクトに押されて、自分が好きなのに言えなくなってるんじゃないかと思いまして。それで、まずは自分たちから言っていこうと思ったんです。『私達の性癖は○○なんです』っていうふうに言っていけば、色々な人が教えてくれるようになるんじゃないかと思いまして」

水のさんとまゐさんは、高校の時の同級生。色々な人の性癖を集めたいという思いが合致していて、集めた性癖をフリーペーパー「季刊 性癖」で公表している。
主に表紙などのグラフィックはまゐさんが、文章は水のさんが担当しているという。

――「デザインフェスタ」では大きなボードに、皆さんから寄せられた性癖を書き出していましたが、現在までに何人分の性癖が集まりました?
「500人分です」

――500人分!!!!
「実は、デザインフェスタにブースを出展するのは3回目で、それまでに集まったものを含めると、およそ500人分の性癖が集まりました」

――性癖の傾向はありますか?
「今回のデザインフェスタで集まった性癖は、においに関するものが多かったですね。『脇のにおい』『パイプから出てくる排気ガスをかぐ』『絆創膏のにおい』などなど。中には『胸の谷間のにおいをかぐ』って答えた女性もいました。聞いたところによると、胸の谷間のにおいって、人によって違うらしいんです。だから、色々な人の胸の谷間のにおいを確かめてらっしゃるみたいで。
ちなみに、その方は自分の谷間のにおいは嗅がないそうです」

――なんだか、深い話ですね!性癖は、性別や年齢によっても違いますか?
「やっぱり、10代後半はノーマルなものが多いです。『メガネ』とか『血管が浮き出たところ』とか。自分の恋愛と絡めて、萌えるんじゃないかと思います。中には相当変わったものもありますが、子どもの頃の経験と何かがつながっているんじゃないかと。逆に年齢が上の方は、実際に実行してそうな性癖が多かったです。女性に多かったのは『傷跡』に関するもの。
例えば他人の傷跡や傷跡のにおいが気になるとか…。あと、毎回一定数、必ずいるのが『デブ専』に関連する性癖ですね。ただ、デブ専といっても誰でも良いというわけではないみたいで、男性の方の意見では『太っていたとしても、貧乳はちょっと…』という方が結構多くて、『デブ専あるある』みたいなものもあるようです(胸よりおなかが出ていてほしい、など人によって色々こだわりがあるようです)」

――水のさんから見て、変わった性癖はありましたか?
「『好きな人の生え際になりたい』という方がいらっしゃいました。たまに『好きな人の細胞になりたい』という方がいますが、その“進化版”だそうです。おでこあたりの生え際になりたいそうです。あとは、『好きな人の白髪をなぜかずっと捨てずに持っている』という方も…」

お話を伺った水のさんは帰国子女で、英語を話すことができる。
そこで、外国人と性癖について尋ねてみた。

――「デザインフェスタ」は外国のお客さんも多いですが、外国の皆さんの反応はいかがでしたか?
「オープンなイメージがあるかもしれませんけど、意外と苦笑いされましたね(苦笑)。セクシャルなことには、あまりオープンではないのかもしれません。ひょっとすると、性癖の意味があまり伝わらなかったのかもしれませんけど」

日本人は心の中に隠し持った「癖」があるのに対して、外国人はあまりないのかもしれない。
その他、集まった性癖の一部を紹介すると…

■二の腕を吸う
■オカッパ
■おじさんの薄毛
■マフィントップ(ニーハイソックスの上にのっかっているお肉)

――水のさんの性癖は?
「おむつアイドルです」

――「おむつアイドル!?」最後の最後にすごい性癖を出してきましたね!
「絶対にいけると思って、企画書を書いて1年半以上もたつのに、未だに賛同者がいないんです(苦笑)。おむつって可愛いと思うし、セーラー服を着て、下は柄の入っていないおむつを成人女性が履いたら、めちゃめちゃ可愛いと思うんです。
1年前からモデルになってくれる子を募集しているのに、全然集まらなくて…。私は楽しみたいだけなので、本当は誰かが活動をして写真集を出してほしいんですけど」

ドアノブを愛している「ドアノブ少女」の写真集が発売されるくらいだから、発売されてもおかしくはないのかもしれない。「我こそはモデルに」という方は「季刊 性癖」のツイッター@seihekiseihekiまで。

「デザインフェスタ」は終了したが、水のさんとまゐさんは、ツイッターのハッシュタグ「#季刊性癖」で、常に性癖を募集している。

「自分が変わった性癖をもっていても、なかなか人に言い辛いという思いはあると思います。でも、他の人の性癖を見ていると、『こんな性癖があるんだ』と思ったり、『自分の性癖は、他の人と比べたらそんなに変わってるものではないんだ』と、自信がもてたりします。
私達はどんな性癖でも受け止めるので、みなさんもよかったらツイッターの『#季刊性癖』で性癖を教えてください」

水のさんは大学で外国語を学び、まゐさんは医療を学んでいる。春からは社会人になるそうだが、性癖を集めていく活動は続行するそうなので、今後の2人の活動に注目だ。※ちなみに筆者の性癖は、とんかつを食べている時のような口元。(やきそばかおる)

「季刊 性癖」ツイッター
@seihekiseiheki

「季刊 性癖」サイト
http://seiheki.is-mine.net/

※フリーペーパー「季刊 性癖」は、「デザインフェスタ」に出展した時のみ入手可能。
サイトでVol.15のバックナンバーと、過去のデザインフェスタ出展の模様、アンケートのまとめを公開しています。