スカートめくり……。

「まいっちんぐマチ子先生」を読んでいた昭和生まれの男なら、小学生時代に一度は憧れたであろう禁断の遊び(実際にやったことがあるという人はいないと思うが)。


この「スカートめくり」をモチーフにした「スカートめくりカレンダー」を作った人がいる。名前は加藤圭織さん。男性ではなく女性だ。先日開催された「東京アートブックフェア」で、飛ぶように売れているのを目撃した私は、早速取材を敢行。下心をひた隠しにしつつ、お話を聞いてみた。

――そもそも、「スカートめくりカレンダー」を作ろうと思ったきっかけは?
「実は、スカートめくりカレンダー自体は、まだ学生だった2007年に作ったものなんです。
学内で合同展を開くことになって、その時のテーマが『エロ』だったので、かわいらしい感じのするエロを表現しようと思って考えたところ、いきついたのがスカートめくりでした。ちょうど、スカートをめくる行為と、カレンダーをめくる行為が『めくる』という点で一致してたこともありまして(笑)。スカートの部分がカレンダーになっていて、めくると翌月のカレンダーが出てくるという仕掛けにしたんです。それから5年がたって『アートブックフェア』で出展しようと思って、新たに2013年バージョンを作ることにしました」(加藤さん)

――スカートめくりといっても、カレンダーはオシャレですよね。デザインをした時のこだわりは?
「特にこだわったのは、スカートのヒダの形ですね。いかにも女子高生のスカートっぽいものにしました。
裾の部分も、横に真っ直ぐに切ったら味気ないので、ま~~~るい楕円のような感じに切りました。(※写真参照)あと、脚のラインは高校時代に『かわいいな~』と思ってた子の脚を参考にしました。細くて、華奢な感じだったので(笑)」

せっかくなので2007年バージョンと2013年バージョンを比べてみると、脚が少し締まった感じ。※画像参照 その上、前のバージョンにはなかった上履きを履いて、可愛く履きこなしている。(あれ?真面目にこんなことを分析してて、大人として大丈夫だろうか?気分を落ち着かせて、加藤さんへの質問を再開)

――カレンダーを出展していた「アートブックフェア」でのお客さんの反応はいかがでした?
「皆さん、笑ってましたね。お年寄りからお子さんまで、たくさんの方がスカートをめくっている姿は、見ていて楽しかったです。
でも男性の中には、人前でめくるのが恥ずかしかったのか、めくらずにそのまま『一つください』と言って買っていかれた方もいらっしゃいましたね。ちなみに、この間ドイツに行ってきたんですけど、ドイツのデザイナーさんに見せたら『Very funny』って言われました(笑)」

――確かに、外国人にもウケが良さそうですね(笑)。今後、作ってみたいカレンダーは?
「女性のアイドルが好きなんで、ももクロみたいなアイドルをテーマにしたスカートめくりカレンダーを作りたいです!」
今、この記事を読んでいる関係者の皆さん、来年のカレンダーは無理でも、来年の4月始まりのカレンダーはいかがでしょう。ご相談はぜひ加藤さんへ。

ちなみに「スカートめくりカレンダー」は加藤さんが自主制作したもの。残りの部数が少なくなってきているため、欲しい方はお早めに。
ネットショップ(ヴィレッジヴァンガードオンライン)で販売中。注文次第では、新たに増刷するそうだ。そんな加藤さんは一体どんな人柄なのか、迫ってみた。

――加藤さんの簡単な経歴を教えてください
「子どもの頃から絵を描くのが好きだったので、東北芸術工科大学に進学してグラフィックデザインを学んでいました。その後、東京で勝負したいと思いまして、現在働いている広告制作会社に入社しました」

加藤さんは社会人になって4年目。某有名企業のノンアルコールビールのパッケージデザインや、広告ポスターの制作など、数々のお仕事に携わっている。


「人を喜ばせることを考えるのが好きですね。大学祭の時も、盛り上げようとして友達とDJをやりましたね。DJは経験したことがなくて、猛練習したんです(笑)。今でもたまに代官山のお店でDJをしてます」

気づけばいつも「何か面白いアイデアはないか」と考え事をしているというから、根っからの「楽しませ好き」なのだ。

■「食卓がより楽しくなるテーブルクロス」シリーズ

加藤さんは「スカートめくりカレンダー」以外にも変わった作品を作っている。それが、テーブルクロスのシリーズだ。


・真ん中に特大のチキンの絵が描かれたテーブルクロス(※写真参照)
食卓のど真ん中に、ごちそうが置いてあるような感じになる。もちろん、絵は加藤さんが描いたもの。

・会話のネタが書いてある付箋が描いてあるテーブルクロス(※写真参照)
会話の少ないカップルでも、少しでも会話が生まれるようにと考案。
会話に詰まったら、手元にある付箋を見ながら「高校の思い出ある?」などと質問すれば会話が生まれるというのが狙い。

ちなみに、付箋が描いてあるテーブルクロスは、加藤さんが卒業制作で作ったさまざまなバリエーションのテーブルクロスの一つで、一連のシリーズが学科内で最優秀賞を受賞したそうだ。残念ながら非売品だが、会話がぎこちないカップルのためにも、商品化される日がくるのを願っている。
(やきそばかおる)