「特殊顔文字」を見たことのある人も多いのではないだろうか。Twitterやmixiなどでよく見られるこれらは、対応しているデバイスからみたユーザーにはきちんと表示されているが、Android端末やWindowsユーザーには意味の分からない記号の羅列のように表示されていることがある。
あるいは、「この記号の羅列なんだろう」と前々から思っていた人もいるかもしれない。

この特殊顔文字が表示されない場合「豆腐」とも呼ばれる「□」や、「下駄」とも呼ばれる「〓」に置き換えられてしまう。(トップにある画像を参考にしてみてください)

これらは、送信者と受信者が異なる「文字コード」を採用している事で起きてしまう現象である。文字コードというのは、パソコン側が漢字やひらがなを扱うときの表現方法の事で、UTF-8(unicode)やShift-JIS、EUCなど何種類か存在している。
iPhone(iOS)やiMac(Mac OS X)ではUTF-8を採用しているが、Android端末やフィーチャーフォン(以下ガラケー)、Windows端末では主にShift-JISという異なるコードを採用している。このような異なる文字コード間で特殊顔文字のようなものをやりとりすると、「文字化け」が発生してしまうのだ。


さてこの文字コード、どうして異なるものを使用しているのだろうか。統一してしまえば、文字化け問題を解決できるのでは、と疑問に思う人もいるだろう。今回は文字コードに関して、ハウツーサイト「nanapi」の開発部に聞いてみました。

――「豆腐文字などへの置き換えは、キャリアで勝手に定義しつつ、文字コードの問題やフォントの問題もありつつという理由でかなりカオスな状態なんだよね」(Wさん)
――「ぐわーって上下に長くなる(涙を流しているような顔文字など)は、コードやフォントとかだけではなくて、描画するシステムも対応してないといけないしね」(Aさん)
と教えてくれた。特殊顔文字が表示されない原因は、単に文字コードの違いだけでは説明ができないものもあるようだ。

――「まぁ文字コードと言ってもあれはある種、宗教みたいなもんだからねぇ」(Wさん)
宗教みたいなものだという事は、文字コードが同じでない理由は技術的な面で不可能だからという訳ではなさそうだ。

――「世界的に見て主流のUTF-8に移行すべきだけど、歴史的な理由があってなかなか移行できないんだよね」(Wさん)
――「自分独自の文化を守りたいっていう“大人の事情”みたいのもあるんだよ」(Kさん)
ここで言う歴史的な理由というのは、Windows端末が主に採用しているShift-JISという文字コード規格は、マイクロソフトが中心となって開発したものであるという事。つまり、現在主流となっているUTF-8へ移行しない大きな理由は、独自で開発した「文字コード文化」を守りたいという「大人の事情」が大きく関係しているという事なのだ。

さてこれらの文字コードが統一される日は来るのだろうか。
――「近い将来にはお豆腐文字を見かけなくなるかもしれないけど、完全になくなるというのはかなり難しいと思うな」(Kさん)
――「世界的に見ても統一しようとしている動きはあるし、googleが問題視しているということもあって、今後に注目ってところかな」(Wさん)
とのことでした。Androidユーザーの私としては、かわいい特殊顔文字を使いたいから統一して欲しいなぁとは思うのだが、どうやらそんな簡単な話ではないようであった。これからもしばらくは豆腐文字を変換してくれるAndroidアプリ、「TofuBuster」にお世話になります。

(あらみり)