サッカー日本代表・本田圭佑選手の大叔父であり、現在はプロレスラーで、レスリングで3度のオリンピック出場を果たした本田多聞選手の父親でもある本田大三郎氏の書籍が発売された。それは『本田の男は骨で闘う』(あさ出版) 。


大三郎氏は、1964年の東京オリンピック・カヌー日本代表選手。現在は神奈川県三浦市で「マホロバ・ホンダカヌースクール」の代表を務める現在77歳の現役だ。

「本書は、“本田一族”から一流アスリートたちを輩出した大三郎さんが培ってきた、強く生きていくためのヒントが綴られています」とあさ出版・井手さん。

本書を読んで、まず大三郎氏の経歴にびっくりした。東京オリンピックでハンドボール選手として出場予定だったが、なんとハンドボールが正式種目に選ばれず。しかし、代わりに正式種目となったカヌー競技に出場しようと決意。
3年間という短い期間での猛練習の末、日本代表に選出された。

本書では、「汚れたものを身につけない」=身だしなみに気をつかう、「蓄えた体をつくりなさい」=朝食をきちんとる、「たかがうんち。されどうんち」=毎日排泄する、「世間の風潮にのせられて、人をもちあげたり、けなしたりしない」=自分の言動に責任をもつ、などの34のメッセージがちりばめられている。今まで聞いてきた言葉たちかもしれないけれど、大三郎氏から発せられると大事なことなのだなと重みをもって感じられる。

息子の多聞氏のネーミングの由来、多聞氏が中学時代に体を鍛えるためにタイヤを引きずって学校に行っていた話や、体育会系ではなく文化系のブラスバンド部に入っていた話など、メッセージの背景にあるエピソードもとっても興味深い。

「大三郎さんは本書のタイトルにもある通り、強く生きていくためには“骨”=芯をつくっていくこと、そのための基礎となる考え方や行動が一番大事とおっしゃっています。
それはスポーツの世界のみならず、自分がいま向き合っている仕事や日常生活の中でも応用できるものだと」

本田圭佑選手は大三郎氏の兄の孫にあたる。本田選手は小学校の頃から大三郎氏の兄の元で育てられた。毎日の起床時間や、体重、食事内容、練習メニューなどを記録した、のちに「本田ノート」と呼ばれるノートのとりかたを教えたのが大三郎氏。「どうしたら強くなれるの?」と小学生時代の圭佑少年にせがまれて、日々の日誌を書くことを教えたのだという。本田選手はその時から、プロになっても10年以上書き続けている。

本書にはこう書かれています。

「本田ノートをつけることが直接強さに役立ったわけではないでしょう。でも彼がつけつづけたこと、つけようという意欲を継続させたことが、現在の圭佑をトップに押し上げたのではないでしょうか」

そんな大三郎氏の書籍『本田の男は骨で闘う』は3月16日より発売。YouTube上で本田大三郎氏の特別インタビューを見ることができるので、ぜひチェックしてみてください。
(dskiwt)