わが母も愛用している電動アシスト自転車。上り坂も超ラクラクなので、一度使うともう100パーセント人力の自転車には乗る気はしないという。
だが、厄介なのは出先での「電池切れ」だ。電池が切れればただの重たい自転車に過ぎない。この問題があるがために、私自身はまだアナログ自転車に乗っている。

屋外で電池切れのとき、即座に充電できる電動アシスト自転車のための電力ステーションがあれば……。そんなニーズに応えるかたちでこのほど発表されたシステムがある。それは、太陽光発電で蓄えた電気で充電できる駐輪場『ソーラーチャージステーション』(受注生産品、LIXIL[TOEX]製)だ。


使い方は、各駐輪スペースに設置されているバッテリードックの扉を解錠し、その中へ自転車のバッテリーを装填するだけ。最大で6台分の同時充電が可能。また、夜間時のLED照明や災害時の非常時用電源としてPCやケータイの充電にも対応する。

ソーラー式なので環境にやさしく、節電にも役立つのでまさに現在のニーズにぴったり合っているシステムなわけだ。
ところで、どんな施設に設置することを想定しているのか。LIXILさんに聞いた。

「レンタサイクル、集合住宅、企業など電動アシスト自転車を使用している所です」
ほかに、駅前の駐輪場にもあると便利そう。

ところで、充電にはどのくらい時間がかかるものなのか。
「日照条件によって異なりますが、ソーラー電力を蓄電するシステム内の小型リチウムイオン電池は3時間くらい。自転車のバッテリーの充電時間は機種によってまちまちです」
「では、天候が悪いときはどうするのか」と当然疑問が湧くのだが、商用電源の併用が基本仕様となっているので、長雨の時期に蓄電池が空っぽになるという心配はない。

さらに、ソーラーパネルの枚数やリチウムイオン蓄電池の台数は注文に応じて増やすこともできるので、何百台も収容する大きな駐輪場をまるごと同システムにしてしまうことも夢ではない。そうなれば、もっと電動アシスト自転車のユーザーが増加するかも。

「リリース発表後、おかげ様で数件の問い合わせが入っています(6月末時点)。今後さらに増えることを期待しています」

確かに、「自分の生活空間にあれば便利」というようなシステム。筆者の周りにも同システムができたら、電動アシスト自転車の購入を検討するつもりだ。
(羽石竜示)