「東京タワーはなぜ白と赤で塗り分けられているのでしょう? 答え:航空法で決まっているから」

こんな雑学をご存知の方は多いのではないだろうか。
しかしながら、東京スカイツリーの色は、ほぼ白一色。
なぜ赤白のツートンカラー塗装ではないのだろうか。その疑問を調べてみた。

まず、高さ333mの東京タワーについて。
たしかに、航空法と航空法施行規則において、「最上部から黄赤(インターナショナルオレンジ)と白の順に交互に帯状に塗色すること」と定められている。この塗装は、「昼間障害標識」と呼ばれている。
現在の東京タワーは、大展望台は白、それより下の部分は黄赤で、大展望台より上の部分より上の部分は、白と黄赤で7等分に塗り分けられている。
なお色の塗り分けは時代ごとに変わっていて、大展望台も1996年(平成8年)以前は黄赤だったし、さらに1986年(昭和61年)以前は7等分ではなく11等分の塗り分けだった。

では、高さ634mの東京スカイツリー(来年春開業予定)はどうだろうか。
スカイツリーの色は白色、厳密には「スカイツリーホワイト」という少し青みを帯びた白色で、スカイツリーオリジナルの色だ。黄赤と白の塗装ではない、つまり昼間障害標識を設置していないことになる。しかしながら、その代わりに「高光度航空障害灯」を設置している。
これは、昼間障害標識の設置は「高光度航空障害灯又は中光度白色航空障害灯を設置するものを除く」という規則に基づいており、日中にも障害灯を点灯することで、安全性を確保しているというわけだ。

現在、工事中のスカイツリーには赤色の仮設航空障害灯が設置されているが、完成後は白色の高光度航空障害灯が高さ100m、200m、285m、375m、464m、540m、634mの場所に設置される予定だ。

東京タワーと東京スカイツリーの色についての雑学は、ぜひセットで覚えておこう。
(もがみ)