GoogleマップやYahoo!地図などの地図情報サービスを利用したことのある人は多いだろう。しかし、ご存じのとおり、こうした地図は“屋外”限定だ。
もちろん、目的地に到着すれば地図の役目は終わることも多いが、ショッピングモールや空港のように現地の地図がほしい場所も結構あるのでは?

そんなときに使いたいのが、「Micello Indoor Maps」(マイセロ・インドア・マップス)。実はこれ、“屋内”の地図情報サービスで、いわば屋内版Googleマップ。今年1月にアメリカのマイセロ社がスマートフォン向けに始めたサービスで、日本でも7月からベータサービスが開始。もちろん利用は無料だ。

気になる使い勝手はどうか? 実際に都内の商業施設で使ってみたのだが、思った以上に便利だった。単に建物内の地図が見られるだけでなく、各店舗の詳細情報の表示やルート検索も簡単。
これまでは商業施設にあるフロアマップなどを都度見ていたのが、すべて手元で済んでしまうというのはかなり嬉しいかも。ちなみに現在地の表示に関しては、多少GPSの誤差があるものの、アプリの使い方を考えると、個人的にはあまり不便は感じなかった(※たとえばルート検索の起点などはリストから選べるので)。

ありそうでなかったユニークな同サービス。日本マイセロ社長の野澤裕さんに企画のきっかけを聞くと、
「米国本社の人たちが、あるタイムセールを知り、ショッピングセンターに向かったところ、ショッピングセンター内で道を間違え、目的の店に到着したときにはセール時間が終了しており、とても悔しい思いをしたのがきっかけです。つまり、自分たちが最大のユーザーであり、常にユーザー視点でサービスを拡張しています」
日本版も基本的にアメリカと同じ仕様だが、細かな違いはある。たとえば日本では商業施設と交渉しながら地図を作っているため、情報の鮮度が高く正確。
ショップのオープン・クローズ情報などもいち早く提供できるという。また、すでに配信しているキャンペーン情報のほか、クーポンの配布も検討中とのこと。

現在はベータ版ゆえ、閲覧できる地図はヴィーナスフォートやららぽーと豊洲をはじめとする都内の7商業施設のみだが、本国アメリカではすでに2,000以上の地図を公開。商業施設のほかにも、空港や展示会場など人が集まるところ、つまり迷子になりやすいところが対象になっている。日本でも2011年春の正式リリース時には全国50~100の地図を用意する予定だというから、いまは近所の地図がないという人もそのうち増えているはず。

「実際に使った方の意見も参考にしつつ、追加機能も検討していきたいですね」
こんな機能や地図がほしいというリクエスト、アプリを使ってみた感想や意見など、なんでも気軽に送ってほしいそうだ。
ちなみにフィードバックはアプリのフォームから簡単に送ることができる。

道だけじゃなく、建物内でも迷子になりがちだという人は、とくに使ってみる価値アリですよ。
(古屋江美子)