すっかり初夏! ますますキーンと冷やしたアルコールが美味しい季節になってきた。さて、そんな中、デパートのチラシを何気なく見ていた私の目をクギづけにしたものがあった。


それは、鮮やかな青い色をした発泡酒、その名も『流氷DRAFT(ドラフト)』

これは気になって仕方がない! ということで、さっそく製造・発売元の網走ビール株式会社に問い合わせてみた。答えてくださったのは、『流氷DRAFT』の開発者である、工場長の條将之(じょう まさゆき)さん。まずは誕生秘話についてうかがってみると……。

「『流氷DRAFT』は2008年2月に発売を開始しました。実はその前に会社の運営が変わって、何か新しいものを、ということになりまして。
自分の中に、流氷をテーマにした青いビールがつくってみたいという気持ちがずっとあり、そこから開発を始めたのが、この『流氷DRAFT』なんです」

なるほど。ブルーのカクテルはよく見るけれど、ビールや発泡酒はかなり珍しいと思うし、斬新な発想! それにしても、どうしたら、こんな美しいブルーを表現できるのだろう?!

「やはり青い色を出すのは、難しかったですね。天然の色素をいろいろ探して、くちなしの色素も試してみたんですが、透き通る色がなかなかでなくて。というのも、もともとのベースとなる酒の色と混ざり、緑色っぽくなってしまったんです。それから試行錯誤を繰り返し、最終的にスピルリナという藻類の色素を使うことで、現在の青い色が実現しました」

以前、コネタでも紹介している『ビルク』『桜どらふと』も同じ網走ビールによる製造。美しい青い色を実現させるには、『ビルク』をつくった当時の経験も活かされているのだとか。
また、以前から網走ビール株式会社では、東京農業大学生物産業学部の技術指導を受けながら、研究を重ね、さまざまな商品を生み出してきた。実は、條さん自身、農大出身なのだとか。

「今回も恩師の永島先生にいろいろ相談しながら作りました。例えば、流氷をイメージしている泡の立ち具合も、とても重要になってくるのですが、一般的に発泡酒は泡もちがよくないんです。そんなとき、永島先生から『ナガイモを原料に使うと泡もちがよくなる』と聞いたので、それを参考にしましたね」

開発の裏に、そんな理想的な師弟関係もあったとは! さらに、「網走市ではPRに使う氷として、流氷を保管してるんです。それを提供していただいているんですよ」と、條さん。
『流氷DRAFT』にはなんと、オホーツク海の流氷を仕込み水として使用されているのだ。

ちなみに、『流氷DRAFT』の他にも、鮮やかなルビーレッド色の『はまなすDRAFT』、大自然をイメージした緑色の『知床DRAFT』、明るい紫色の『じゃがドラフト』の3本があり、4本で「四季シリーズ」なのだとか。どれも、これまで見たことのない鮮やかな発色が印象的だが、中でも『流氷ドラフト』は一番人気があるのだそう。

さっそく私も『流氷ドラフト』を手に入れて飲んでみたのだが、色と同じく、爽やかな飲み口で、とても美味しい! そして、その鮮やかなブルーの美しさといったら! 実物を見て、また衝撃&感動。見ているだけでも涼しげだし、これから夏にかけてもぴったり。ホームパーティーなどに持っていっても盛り上がること間違いなしだ。
気になる人は要チェック!
(田辺 香)

※上記の記事に誤りがありました。「スピリルナ」→「スピルリナ」と修正させていただきました(エキサイトニュース編集部)