先日、自分の使っているバッグを見てフト思った。
「バッグってなにやら意味深な物体がたくさんくっついている」と。


ピョコっと出ているベルトや、輪っかになったベルトなどなど……。何かに使えそうな感じはするのだが、実際に使ったことはない。デザインなのか、機能なのか、よくわからない。

中でも特に意味不明なのが、アレである。

アレとはズバリ、「バッグの正面などについていて、菱形で、細い穴が二つ、例えるなら、四角いブタの鼻」と、なんとも説明しにくい物体(画像参照)。この物体がついたバッグはよく見かけるのだが、名称さえわからない。


ということで、このブタの鼻のような物体はなんなのか調べることにした。

今回、バッグブランドの『beruf』を販売している株式会社ファムプランニングにお話を伺うことにしたのだが、なにしろ「名前がわからない&説明しにくい」ということで、どう質問していいか困ってしまった。

「なんというか、バッグの正面によくついてて、四角くて、細長い穴が二つあいてて、例えるとブタの鼻みたいな物ってありますよね……」と、苦しい説明を繰り出してみると。

「ああ、ブタ鼻ですね!」と(株)ファムプランニングの担当者。

あ、ブタ鼻っていう呼び名なんですね。

「ええ、正式名称ではないかもしれませんが、私共ではブタ鼻と呼んでいます」

まったく知らなかったのだが、このブタ鼻という呼び名は結構知られているらしく、雑誌などでもそのように表記されているようだ。


ということで、めでたく呼び名が判明したので、改めて聞いたみた。
「そのブタ鼻はなんのためにあるんですか?」と。

「もともとは、登山用のバッグなどについていた、工具などを引っかけたり、くくりつけるためのものだと思います。例えばピッケルなどは、大きくてバッグに入りませんから、バッグにくくりつけたりするんです。その時に使うのがブタ鼻です。ちなみにブタ鼻に通すベルトはウェブベルトといいます」とのこと。


なるほど。では実際にどのように使うのか、知り合いの登山愛好家の協力の下、愛用のブタ鼻つきバッグ(デイパック)にピッケルを装着してみることに。

まず、ブタ鼻の二つの穴にウェブベルト(今回はヒモで代用)を通しておく。次にバッグの下から出ている輪っかになったベルトにピッケルの頭を引っかけ、ブタ鼻に通したウェブベルトでくくればOK。
ということで、画像ではピッケルを装備した私が確認できるとおもうのだが、案外しっかり固定できた。うん、なかなかいい感じ。
これなら、ピッケル背負ってどこまでも行けそうだぞ。

(株)ファムプランニングの担当者はこう語る。
「現在、デイパックなどでよく見られるブタ鼻は、登山用の道具をくくりつけるためのものではなく、デザインとしてつけられていることが多いです。当然ですが、ピッケルを装着したりするとバッグが壊れてしまうこともあるので、やめたほうが良いでしょう」

はい、すいません。

登山用具をくくりつけたりするためのブタ鼻。デイパックなどについているものはやっぱりデザインのひとつということです。
くれぐれもピッケルを装備して出かけないように!
(ドープたつま/studio woofoo)