丸井のロゴはなぜ「0101」と繰り返すのか
「オイオイ」でも「ワイワイ」でも「ゼロイチゼロイチ」でもなく、これで「マルイ」です。
丸井のおなじみのロゴ「0101」。

かつて上京したばかりの頃は、これが読めず、「オイオイ? ワイワイ?」などとコッソリ心の中で迷っていた。

そもそも「丸井」なら「01」一回だけで良さそうなものなのに、なぜ2回かくのだろう、とも。きっと私と同じような人、たくさんいるのではないだろうか。

以前、あるバラエティ番組で、芸人さんが「2回かくのは保険?」という名推理(?)をしていたが、本当はどうなんだろう?
丸井に、社名とロゴについて、直接聞いてみた。

「丸井という社名は、もともと創業者が『丸二商会』という会社からのれん分けしたことと、当時は『丸』という漢字に自分の名前をつけると繁盛するというジンクスがあったことから、社長・青井忠治の『井』をとって、つけたものなんです」と、広報室担当者は言う。
ただし、最初は丸の中に「井」をかくロゴだったが、これが1973年に「0101」をモチーフにしたものに変わったのだとか。
「これは読みからとったものではなく、ルールづけがあるわけでもありません。
あくまでビジュアル的なイメージロゴですので」

では、2回繰り返す理由は?
「73年にロゴを変えたのと同時に、丸井全店の電話番号を『0101』に統一したんです。電話番号とかけたロゴマークと電話番号の統一を、企業キャンペーンで告知したんですよ」

実は、丸井のこのロゴって、アルファベットの「OIOI(オーアイオーアイ)」なのか、数字の「0101(ゼロイチゼロイチ)」なのかわからなかったのだけど、「電話番号」もかけているのなら、数字だということですか?
「いえ、数字とかアルファベットとかいうことではなく、あくまでこれで『マルイ』と読んでいただければと」

ちなみに、このマークがさらにデザインチェンジしたのは、93年。それまでは太めの文字で、丸の輪の右下部分が切れていたのが、つながって細くなり、「より洗練され、今のデザインになった」のだという。

ところで、丸井というと、なぜ新宿の「○○館」がちょくちょく変わるのかも疑問だが、
「新宿に限らず、店舗は商品構成などを固定せず、常に新鮮でありたいと思っております。館が変わるのも同様で、特に新宿には専門館が多いんですが、これは建物が単独店舗というのではなく、『専門店が集まって一つの新宿店』というイメージ。そのなかで、専門館が終わるのは、それぞれの役割が終わり、時代に合わせた役割を担っていくからであって、館が変わるというより、店内の改装に近いイメージなんですよ」と言う。


また、中野本店は8月26日に閉店するが、
「特に新たな本店は設けません。それぞれの場所の店舗がそれぞれの役割を果たしていくということです」
とのこと。

そのまま読めないロゴも、めまぐるしく変わり、なかなか把握できない専門館も、丸井の「常に新鮮」とするイメージ戦略なのかもしれません。
(田幸和歌子)