工藤兄弟、三倉茉奈&三倉佳奈(マナ・カナ)、おすぎとピーコ、ザ・たっち……。

一世を風靡したこれら双子タレントたち。
同じ顔が2つ並んだ時のインパクトは、いずれも絶大でした。
斉藤祥太・慶太兄弟もそんな双子タレントの一組。「イケメンの一卵性双生児」という特異性により彼らがブレイクしたのは、今から15年以上前のことでした。

『キッズ・ウォー』で一躍注目される


彼らが世間に知られるきっかけとなった作品といえば、TBS系の昼ドラ『キッズ・ウォー』です。

昼ドラ=主婦層向けという従来のイメージを覆す若者向けのドラマだった同作は、関東圏で最高視聴率17.2%を獲得。ゴールデンの2時間枠でスペシャルドラマが度々放送されたり、主題歌となったZONEの『secret base ~君がくれたもの~』が売上70万枚の大ヒットを飛ばしたりと、社会現象的人気を博していました。

このドラマで祥太と慶太は、主要キャストの一角として活躍。
勘違いされがちですが、最初から同時起用されていたわけではありません。兄の祥太がパート2より井上真央演じる主人公・茜の恋愛相手として登場し、弟・慶太はパート4から不良少年役で出演したのです。
同じ両親を持ちながらも離婚により、それぞれ父方・母方に育てられた性格が異なる双子の兄弟という設定を演じていました。

『王様のブランチ』のレギュラーメンバーだった


言うまでもなく、同じ画面の中に見分けのつかない甘いルックスが2つあるだけでも、かなりの「引き」があります。
「双子のジャニーズ系イケメン」という、今までいそうでいなかったポジションを開拓した祥太と慶太は、瞬く間に売れていきました。

『ホットマン』(2003年・TBS系)、『高校教師』(2003年・TBS系)などのドラマで同時起用されることもあれば、祥太⇒『離婚弁護士』(2004年・フジテレビ系)、慶太⇒『WATER BOYS2』(2004年・フジテレビ系)といったように“バラ売り”されることもあり、さまざまな作品で見かけたものです。

また、約5年間レギュラーメンバーだった『王様のブランチ』(TBS系)をはじめ、バラエティ番組にも積極的に出演していました。


実写映画『タッチ』の達也・和也をつとめる


こうした2人のタレント絶頂期に実現した企画が、実写映画版『タッチ』(2005年)です。
当時、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)のヒロイン役でブレイクしたばかりの長澤まさみを南ちゃん役に据えた本作において、祥太と慶太はそれぞれ上杉達也(タッちゃん)と上杉和也 (カッちゃん)を熱演。

国民的漫画の主人公格かつ、もっとも旬な若手女優の相手役に起用されるなんて、どれだけ彼らに勢いがあったのか分かるというものでしょう。

現在はタレント以外の"仕事"も


しかし祥太・慶太にも、やがて斜陽の時が訪れます。2010年に、ハリウッド映画『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』へ兄弟揃って出演したのが最後の目立った活躍であり、それ以降、メディアに露出する頻度は徐々に低下。

現在では、ちょこちょこ2時間ドラマに端役で出演したり、テレ朝のバラエティ『イチから住 ~前略、移住しました~』で田舎暮らしを実践してみたりと、地道な活動を続けているようです。

このように単発の仕事がメインであるため、タレント一本では生活が苦しいらしく、2人とも解体業なども兼業しているのだとか。
こうした現状を見るに、芸能界の厳しさを感じずにはいられません。
(こじへい)

※文中の画像はamazonより斉藤祥太・斉藤慶太1stフォト&エッセイ