夫の自殺の陰に不倫があったとされる上原多香子。SPEED時代からミュージシャン、俳優、ジャニーズ系など数多くの有名人と熱愛がスクープされてきた“魔性の女”も、さすがに今後の芸能活動が危ぶまれる大スキャンダルである。


同じく今井絵理子も不倫が発覚。しかも、ビール券配布騒動で公職選挙法に抵触する恐れがあるなど、議員としての資質が問われる大問題にまで発展。おまけに、相手は政務活動費の横領疑惑を追及されて議員辞職してしまったのだから、似たものカップルだったといったところか。

そして昨年、俳優・早乙女友貴と結婚した島袋寛子だが、相手は12歳も年下。ダウンタウン松本との交際が発覚したときは20歳年上だったのだから、何とも幅広い。ネットでは「離婚しそう」なんてお節介な評判が付きまとうのが実に不憫である。

99年にSPEEDが突然解散した原因は、島袋寛子の交際問題にあったともいわれているが……。男に翻弄されるのがSPEEDメンバーの性なのだろうか。

いや、一人重要な人物を忘れていないだろうか? SPEEDのリーダーにして、メンバーで“唯一の良心”ともいわれる新垣仁絵(HITOE)である。

ブラックミュージック嗜好を全面に出したソロ活動


SPEED時代、HITOEが上原多香子に続いて2番目にソロ活動を開始しているのをご存知だろうか?
活動名義は、HITOE’S 57 MOVE(ヒトエズゴナムーブ)。「仁絵が今、動き出す」という意味が込められている。

上原のデビューシングルが河村隆一プロデュースの上に、4週連続でオリコン1位を獲得と、ド派手なインパクトにかき消されてしまった感があるが、新垣のデビューシングル『INORI』もオリコン2位を見事獲得。上々の滑り出しを見せている。


ジャケットには、自身が描いたグラフティ調のアートをバックに、HIPHOP系ファッションに身を包んだ彼女の姿が。ブレイズ(編み込み)ヘアの主張もクールだ。
元々、ブラックミュージック全般に精通する彼女。その嗜好が全開となったジャケットが示すとおり、楽曲もツウ好みに仕上がっていた。

そう、実はメンバーの誰よりもR&BやHIPHOPには造詣が深くて研究熱心。SPEEDのダンスの振り付けや曲のアレンジにも大きな役割を果たしていたのである。


マネージャーにも内緒でアフロヘアにイメチェン!?


当時はMISIAや宇多田ヒカルの登場により、ジャパニーズR&Bが一大ブームに。SILVA、bird、Crystal Kay、小柳ゆきなどなど、カリスマ性あふれるディーヴァが続々登場。それぞれがルーツとなる本場のブラックミュージックを感じさせる活動を展開していた。

アイドル売りをしていたSPEEDメンバー内で、一人異質なヘアスタイルだったHITOE。そもそもが前述のジャンルに連なる人材だったのだから、それも当然といったところか。
SPEED最大のヒットとなった5thシングル『White Love』のPVではアフロ姿だったが、これはマネージャーにも内緒で披露したとか。
当時は「アイドルがアフロなんて」と、バッシングも大きかったそうだが、本人はどこ吹く風。
「頭が大きいほうがセクシー& Coolだし、なんでかっこよさを理解してくれないのかな」なんて思っていたとか。

ブレない生き様、芯の強さはメンバーで1番だったのかも知れない。ただ、アイドル目線で見ていたファンには、彼女の魅力があまり伝わらなかったのかも知れないが。

ニューヨークで出会った男性と13年の交際を経て入籍


グループ解散後は単身渡米。ダンスや絵の勉強のためにニューヨークで2年ほど過ごしていたが、留学先の専門学校に通っていたある日、カフェで待ち合わせた男性に声を掛けたところ、それがまったくの別人。
しかし、それが縁となり交際に発展、13年の付き合いを経て入籍に至ったという。
実にドラマチックな出会いである。

この交際が以前一度スクープされたぐらいで、他に目立ったスキャンダルはなし。この辺りの一途さも他のメンバーとは違う彼女の魅力だろう。結婚後は所属事務所からの退所を選択。一般人の道を歩んでいる。
ただし、それによりSPEEDにとってはこれが事実上2回目の解散となってしまったのだが……。


ソロ活動時、雑誌のインタビューで「いつでもマイウェイ、自分の道を突き進んでいくアーティストでありたいです。まわりがどんな状況であろうと、自分は自分よ、と言える存在でありたい」と語っているHITOE。

芸能界を離れた今、現在のメンバーの騒動をどう思っているのだろうか?
SPEEDのヒット曲『Go!Go!Heaven』の歌詞に「矛盾だらけの世の中じゃ 良いも悪いも興味がないよね」なんてあったが、これこそ彼女の気持ちなのでは……?

※文中の画像はamazonよりINORI