「若手イケメン俳優」「今注目の二枚目」「ジュノンボーイ出身」……。

現れては消えていく、こうした触れ込みの男性芸能人。

次から次へと、フレッシュなニューフェイスが登場し、あっという間に民放の連ドラ・大作映画のメインキャストは、活きのいい若手へとシフトチェンジ。行き場を失ったかつての美少年俳優たちは、ミュージカル・舞台などに活路を見出す以外なくなってしまうのです。

ましてや、不祥事を犯してしまっては、取り返しがつきません。
そんな「やらかし」によって消えていった元・若手イケメン俳優の一人が、本稿で紹介する柏原崇です。

日本アカデミー賞新人俳優賞も受賞した柏原崇


「柏原クン」というと、今では「山の神」こと元駅伝ランナー・柏原竜二を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、かつて「柏原クン」といえば、俳優の柏原崇一択でした。

彼のデビューは、今から24年前に遡ります。
1993年に開催された、イケメン芸能人の登竜門『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』において、当時16歳の柏原は見事グランプリを受賞。甘いマスクに、175cm超えの長身を兼ね備えたこの美貌の少年は、誰が見ても将来性抜群の逸材でした。

翌1994年には、テレ朝のテレビドラマ『青春の影』で早速俳優デビュー。1995年に映画『Love Letter』でスクリーンデビューを果たすと、演技力の高さが評価され、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞します。

『イタズラなKiss』では主人公に抜擢される


ブレイクの契機となったのは、1996年のフジテレビ系ドラマ『白線流し』。この作品で柏原は、弁護士志望の控えめな優等生役を好演します。

これが当たり役となり、以降、連ドラ・映画への出演オファーが殺到。
『将太の寿司』(1996年・フジテレビ系)、『イタズラなKiss』(1996年・テレ朝系)など、主演起用も相次ぎ、人気を不動のものにしていきました。

カッとなって暴力を振い、現行犯逮捕される


そんな順風満帆なキャリアが暗転したのは、2004年12月30日。

同日午後2時半ごろ、自動車を運転していた柏原は、世田谷区の住宅街で路駐洗車している男性を発見します。「通りにくい」と注意するも、男性は「他の車は通過している」と反論し、道を譲ろうとしません。
そのまま口論へと発展し、頭に血が上った柏原は思わず男性を殴打。結果、傷害罪の現行犯で逮捕されてしまったのです。

2004年に結婚も……2年持たずに離婚


事件後の取り調べで柏原は、全面的に非を認めます。記者会見場には頭を丸めた姿で登場し、神妙な面持ちで不祥事を詫びました。


その後、被害者の男性と示談が成立。しかし、これで一件落着……といかないのが、芸能界の辛いところ。
「爽やか」「好青年」といった印象で売っていた柏原のイメージダウンは免れず、役者としての仕事も激減してしまいました。

さらには、事件の半年前に結婚していた女優の畑野浩子(現・畑野ひろ子)と、2006年に離婚が成立。公私ともに不遇続きのまま、柏原は芸能界の表舞台からフェードアウトしていったのでした。

現在では中国で人気者に!


現在、柏原はどうしているのかというと、中国を拠点に活動しているといいます。
なんでも、『イタズラなKiss』のリメイク版が中国で製作されたことにより、彼への注目度が高まっているのだとか。

もしも、このまま順調に彼の地で成功を収めることができれば、ジュノンボーイの後輩、ディーン・フジオカのように“逆輸入俳優”として、再び母国でも脚光を浴びる日が来るかもしれません。
(こじへい)