年末年始は数多くの特番が放送される。かつて、正月特番の代名詞といえば“エロ”であった。
日テレの大みそかの野球拳企画で女性が脱ぎまくり、フジテレビの深夜番組では女性の陰毛を使った「満月なひき」なるコーナーもあったほど。

オーソドックスにエロかった『志村けんのバカ殿様』


その中でも、もっともオーソドックスにエロかった番組といえば『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)だろう。この番組は、1986年から年に3回のペースで放送されている時代劇バラエティだ。白塗りの顔面と太い眉、大きく上に伸びたちょんまげがトレードマークである志村けん扮するバカ殿様が、城の中で起こるさまざまなハプニングをコント化したもの。
特にお正月に放送される回は“エロ”の要素がふんだんにあった。

おっぱいも丸出し…豊富だったエロ要素


人間すごろくのコーナーでは、「女」のマスがあり、そこに当たると裸の女性が登場し、バカ殿と一緒に入浴していた。一方で「昔の女」のマスには、高齢の女性が登場する。現在の「バカ殿」では水着の女性が登場するが、かつてはおっぱい丸出しであった。


バカ殿はスケベで女には目がない性格。そのため、夜這いをかけたり、入浴シーンをのぞいたりとやりたい放題だ。そうしたシチュエーションをともなっているため、余計にエロ要素が増していた。

志村けんも積極的に脱いでいた


この番組では女性が脱ぐばかりでなく、志村も積極的に脱いでいた。特にケツ丸出しは定番であり、裸一貫で笑いを取る芸人魂が感じられる。
エロネタはじめ多くの小ネタが挟まれつつも「バカ殿」は、ひとつの城を舞台にした壮大なシチュエーションコメディである。
これだけのスケールを持ったテレビ番組は今ではそうそうないのではないか。

現在のコンプライアンス意識に照らし合わせるとセクハラやとして問題になりそうな内容ばかり。さらに、この番組は深夜帯ではなく、夜7時から9時のゴールデンタイムに放送されており、家族そろってテレビを見る時間帯であったことも驚きだ。それだけ“エロ”に寛容なユルい時代だったのだろう。

※イメージ画像はamazonより志村けんのバカ殿様 大盤振舞編 DVD箱(3枚組)