TBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のエンディングで披露される“恋ダンス”が話題を呼んでいます。星野源の楽曲『恋』にあわせて主要キャストが踊る映像は、実にコミカルかつキャッチー。
そして何より、主演を務める新垣結衣のダンスが、抜群の可愛さだと評判なのです。
YouTubeでの再生回数は、680万回(11月21日現在)。動画投稿サイトでは素人の「踊ってみた」動画が多数UPされ、さらに、フィギュアスケートの羽生結弦が振りを真似するなど、社会現象ともいえる盛り上がりを見せています。
こうしたブームの影響は、しっかりと視聴率にも反映され、初回の10.2%から第6話には13.6%まで上昇。今後、どこまで伸びていくのか、注目が集まっているのです。

EDダンスの社会現象化は『マルモのおきて』が初?


近年、この『逃げ恥』のように、ドラマのEDダンスが注目を集めた事例はいくつも存在します。

まず思い浮かぶのが、2011年に放送されたフジテレビ系ドラマ『マルモのおきて』。
先日『ワイドナショー』で司会の松本人志が「(恋ダンスは)マルモリのパクリじゃないですか?」と発言していたようですが、確かに≪EDダンスが話題になる→真似する人が続出→ドラマの視聴率が上がる≫という流れは、このドラマから生まれたといっても過言ではありません。

初回視聴率11.6%だった本作は、メインキャストの芦田愛菜と鈴木福が「マルマル、モリモリ~♪」と歌いながら踊る、可愛らしいED映像が注目の的に。子どもを中心に真似する人が急増しました。
視聴率は最終回で23.9%。また、使用楽曲『マル・マル・モリ・モリ!』はCD売り上げ50万枚、着うたフル年間1位という、商業的成功も収めています。

ワンピース姿での踊りが印象的だった長澤まさみ


『逃げ恥』のEDダンスでは、ガッキーのキュートさが話題になっていますが、キュートさでいったら長澤まさみが披露した『都市伝説の女 Part2』(2013年放送・テレビ朝日系)のEDダンスも負けてはいません。
これは、淡いオレンジ色のフレアミニワンピースを着た長澤が、Perfumeの楽曲に合わせて、踊るというもの。
そのダンスのキレもさることながら、注目が集まったのは長澤のスタイルの良さ。身長168cmの身体から伸びる長い手足。舞う度にフレアがフワッとめくれて美脚が露になり、世の男性たちを虜にしたものです。

桑田佳祐のMVに『最高の離婚』の出演者が!


このガッキーや長澤まさみのように、普段踊らなさそうな人が踊る“プレミア感”こそが、ドラマのEDダンス最大の魅力の一つなのかも知れません。

2013年放送の『最高の離婚』(フジテレビ系)では、メインキャストの瑛太・尾野真千子・真木よう子・綾野剛がダンスを披露。全員、いかにもダンスなど嗜まなさそうなメンツです。
しかも、放送のたびに少しずつバージョンが変化していき、最終話直前にはエンディングテーマ『Yin Yang』を歌う桑田佳祐も登場。
また、桑田のMVにも前述の4人が出演するという、ファンには嬉しい相関関係も見受けられました。

天海祐希の発案で生まれた『女王の教室』のEDダンス


最後に紹介する事例はちょっと特殊。2005年放送の『女王の教室』では、EDテーマ・EXILEの『EXIT』に合わせて、主演の天海祐希が多数のダンサーを引き連れて踊ります。
本編では“悪魔のような女教師”阿久津真矢になりきり、最終話以外一切笑わないキャラ設定なのに、このEDだけはさわやかスマイル全開。しかも、劇中着用している黒ずくめの衣装を脱ぎ捨て、ラフなTシャツに茶髪というスタイルで楽しそうに舞っているのです。

実はこれ、シリアス過ぎるストーリー展開から「せめて最後は明るく締めたい」と考えた天海の発案によるもの。
加えて、過激な描写がクレームの対象になると予想した制作者側が「これはフィクションです」というのを印象付けるために、制作したともいわれています。

こうしてみると、これまでさまざまなドラマにおいて、EDダンスが披露されてきたことが分かります。果たして、『逃げ恥』は恋ダンスによって、どこまでのヒット作となるのか、そして、今後どんな斬新なEDダンスを組み込んだ新しいドラマが誕生するのか…ぜひとも、期待していきたいところです。
(こじへい)

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