奇抜な化粧にジェルで固めたツンツンヘアー、そしてど派手でハードなコスチュームに身を包む。このスタイルからは想像がつかないであろう。
今や、大物アーティストと大物プロデューサーに君臨するGLAYとシャ乱Qのつんく♂である。
今では素顔で活動している彼らだが、彼らが一世を風靡していた90年代、結構ハードなビジュアル系として活動していたのを記憶しているだろうか?

GLAYとシャ乱Qがいまだに第一線で活躍し続けられる理由とは


90年代といえば、L'Arc〜en〜Ciel、LUNA SEA、黒夢、PENICHILLIN、SHAZNAなどなど。ビジュアル系バンドがこぞってデビューを果たし、音楽界を席巻した時代。その波に乗り、今では想像がつかないが、GLAYやシャ乱Qもかなりのビジュアル系で活躍していたのだ。

しかし、2010年代の今、ほとんどのバンドが解散し、いまだに第一線で活躍しているのは、GLAYやシャ乱Qの二組と、その後を追うL'Arc〜en〜Cielぐらいなものだろうか。
同時期にデビューしたものの、解散という末路を辿ったバンドと、GLAYやシャ乱Qのように不動の地位を築いた彼らとの大きな差はいったい何だったのだろうか。

ミリオンヒットを連発していた両者


その歴然とした差は、やはりアーティストとして根底にある楽曲にあるのではないだろうか。90年代のGLAY、シャ乱Qの活躍の軌跡を振り返ってみると、数々の名曲を残してきたといえる。

90年代にGLAYがミリオンヒットを飛ばしたのは「HOWEVER」、「Winter,again」、「SOUL LOVE」、「誘惑」、「BE WITH YOU」、「とまどい/SPECIAL THANKS」。そして、シャ乱Qも「シングルベッド」、「ズルい女」、「my baby君が眠るまで」、「いいわけ」と、枚挙に暇がない。

時代が変わっても愛され続けるGLAYとシャ乱Q


SHAZNAやPENICHILLIN、黒夢などと比較しても一目瞭然である。彼らも90年代にはそれなりのヒットを飛ばしていたが、コンスタンスにヒットソングを出し続けることはできなかったのだ。
それは“ガチ”のビジュアル系だったか否かによるところが大きいといえるだろう。シャ乱QとGLAYは、ルックスはビジュアル系だったものの、他のビジュアル系バンドとは違い、楽曲が歌謡曲よりだった。
そのため、一部のファンにしか受け入れられないビジュアル系の曲よりも、大衆向けで多くの人々に受け入れられた結果ではないだろうか。

そのため、たとえビジュアル系の殻を脱いだとしても、世代を超えて愛され続けて今の地位を確立させた。つんく♂に限っては歌手からプロデューサーに変貌を遂げても、成功をなせる所以だったのかもしれない。
(松庭直)
 
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