2000年11月23日、さいたまスーパーアリーナでのSMAPのライブ終了後に緊急結婚会見を行った木村拓哉(当時28歳)。事の発端は、スポーツニッポンのスクープから。
この日の朝、「キムタク、パパに」の見出しで超ド級のスクープが投下されたのだ。相手はもちろん、工藤静香(当時30歳)である。

スクープでデキ婚会見をさせられるハメに


200人を超える記者、カメラマンが詰めかけた中、黒づくめの木村が緊張の面持ちで登場。
「結婚します。入籍はまだです。近々しようと思っています」
そう、この時点では入籍すらまだの段階。スクープにより、会見をせざるを得ない状況に追い込まれていたのだ。

「おめでたという話は?」と突っ込むリポーターに対して、「事実です」と木村。「4ヶ月ということでよろしいでしょうか?」との問いには「はい」と一言。
交際については1年近く前から報道されていたが、まさか人気絶頂にあった日本一のアイドルがデキ婚するとは……20世紀の最後に芸能史に残る衝撃が刻まれたのだった。

プロポーズについても、「夏の始めくらいですかね…」と歯切れが悪く、内容については照れ笑いでごまかした。「幸せです」と語るも、目はまったく笑っていない状況。
「本当は自分の声で最初に報告したかったです」
堂々とした会見だったが、口元は終始モゴモゴとした落ち着きのない感じ。
すっぱ抜かれた悔しさからか、不機嫌さを隠しきれないのが印象的な会見だった。

一方、工藤静香からデキ婚に関してのコメントはなし。報道陣に対しては微笑むのみで『MUGO・ん』を貫いていた。

中学時代から工藤静香に夢中だったキムタク


木村はおニャン子時代から静香の熱烈なファンで、デビュー前の中学時代には「静香と結婚する」と夢を語っていたそうだ。出会いは1998年12月の『SMAP×SMAP』。静香のゲスト出演を機に意気投合。そして、その年の紅白では静香の携帯番号を聞き出したとされている。

その有言実行ぶりと行動力、しずかちゃんと結婚するのび太のごとしである。

デキ婚の影にはのりピーの暗躍が…!?


さらに共通の趣味であるサーフィンが、2人の絆を深めたともいわれている。しかし邪推してしまうのが、当時のサーフィン仲間だった酒井法子との関係だ。静香はかねてから「30歳ぐらいには結婚して子供を産みたい」と語っており、“デキ婚の先輩”のりピーのアドバイスで、着々と妊娠準備を進めていたらしいのだ。このデキ婚は、のりピープロデュースだったのだろうか?
長女誕生後に出演したバラエティ番組では、「子育てのアドバイスはのりピーから受けている」とも語っていた静香。「嵐を起こしてすべてを壊す」素顔がないことを願うばかりである。


中居はキムタクの会見に感動し、VTRを永久保存版にすると語り、メンバーによる「結婚おめでとう会」を焼肉屋で開催したともいわれている。香取によると、吾郎も会見に出席しようとして髪型を直していたそうだ。“らしいエピソード”が微笑ましい。
この頃の仲睦まじいSMAPにはもう戻れないのだろうか……。
(バーグマン田形)